家系図探訪人

家系図や、養子縁組に興味を持っています。史料としては主に新訂寛政重修諸家譜を用います。Twitter:@rekishi290

津和野藩主亀井氏について

今回は津和野藩主亀井氏について述べます。

津和野藩の藩祖の亀井玆矩は、尼子氏の家臣の湯永綱の子として生まれ、山中幸盛の養女となっていた亀井秀綱の娘を娶り、亀井氏の名跡を継ぎます。その後は豊臣秀吉の麾下で活躍し、鹿野藩主となります。亀井玆矩に関して特筆すべきは、秀吉に対し律令に存在しない琉球守の官職を望み、亀井琉球守を名乗ったことでしょうか。

玆矩の息子の政矩の代に津和野に転封され、亀井家は明治維新まで津和野藩主を務めることになります。

亀井家は4万石と小藩ながら幕末期の活躍により伯爵になり、他家から養子を迎えつつも現在も子孫は御健在で、政治家の亀井久興亀井亜紀子の父子が活躍されています。 

 

亀井氏の系図

 亀井氏の男系の系図は以下の通り。玆方以降は他家からの養子が継いでいます。

 

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亀井茲迪の子の亀井貫一郎と亀井凱夫の兄弟も亀井家の分家出身ですが、血統を調べることはできませんでした。

 

雑記 

津和野藩というと、小藩ではあったものの、和紙(石州半紙)や製蝋によって財政的には潤っていたようで(経済史的に説明すると、江戸中期以降は米価低落により、商品作物や特産品の生産の方が儲かった)、大坂の豪商・加島屋から融資を受けています。津和野藩と加島屋の関係はリレーションバンキングに相当し、非常に興味深いです(こちらのスライドが詳しいです)。  

 

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