家系図探訪人

家系図や、養子縁組に興味を持っています。史料としては主に新訂寛政重修諸家譜を用います。Twitter:@rekishi290

浅野氏の系図について

今回は広島藩主浅野氏の系図についての記事です。

広島城(筆者撮影)

目次

浅野氏の家系図

広島藩主浅野家の系図(赤字は当主を示す)

PDF版の系図

 上図では見にくいと思いますので、PDF版も公開します。下記リンクから適宜拡大してご覧ください。

浅野氏系図.pdf - Google ドライブ

各家の継承順

浅野氏宗家・広島藩

 長政━幸長=長晟(幸長弟)━光晟━綱晟━綱長━吉長━宗恒━重晟━斉賢━斉粛━慶熾=長訓(長懋子)=長勲(懋昭子、侯爵)=長之(懋績子)━長武━長愛━長孝

広島新田藩主浅野家

 長賢━長喬=長員(宗恒子)=長容(長喬子、長員実子とも)=長訓(長懋子、本家相)=長興(懋昭子、本家相続して長勲)=長厚(懋績子)

三次藩主浅野家

 長治=長照(光晟子)=長澄(綱晟子)━長経=長(長経弟、無嗣断絶)

赤穂藩主浅野家

 長重━長直━長友━長矩(殿中にて刀傷沙汰を起こし切腹、断絶)

旗本・長広流

 長広━長純━長延=長貞(長延弟)━長邦━長年━長栄=正言(長栄外孫)=長和(長厚子)━長楽(無嗣断絶)

旗本・長賢流

 長賢(長直養子、松平清昌子)=長武(大石良重子)━長時=長充(藪忠通子)━長富━長泰━長祚

旗本・長恒流

 長恒(長直養子、大石良重子)━長豊━長寿=長致(堀直堯子)━長盈━長和━長発

旗本・氏次流

 氏次(長政養父長勝の子か)━氏重━氏吉=正氏(松平正朝子)=氏備(稲垣重氏子)━頭氏=氏従(横山忠知子)━氏象

分家浅野男爵家

 養長(長勲弟、男爵)=正昭(阿部正直子)

広島藩家老・三原浅野家

 忠吉(長政養父長勝の兄長忠の子)=忠長(忠吉外孫)━忠真━忠義━忠綏━忠晨=忠正(忠綏弟)=忠愛(忠晨弟)━忠順(重晟子)=忠敬(藤堂信任子、忠正外孫)=忠助(忠順子)=忠英(忠敬子)━忠純(男爵)=鐵馬(長之子)=忠允(戸田康保子)

広島藩家老・東城浅野家

 高勝(旧姓堀田)━高英━高次━高尚=高方(綱長子)━俊峰━高明=道寧(高明弟)=高景(三原浅野家忠綏子)━高通=高平(長喬子)=道博(堀田正穀子)=道興(高平子)=守夫(懋績子、男爵)━栄━道根

広島藩家老・上田家

 上田重安━重政━重次━重羽=義行(綱長子)=義従(重羽子)=義敷(義行弟)=義珍(重羽外孫)=安虎(広島新田藩主長賢子)=安世(中根可厚子)=安節(浅野倫恭子)=安敦(安世子)=安靖(安節子、男爵)━宗雄━元重

参考

参考文献

 『新訂寛政重修諸家譜』(昭和39)高柳光寿編、続群書類従完成会

 『日本名門・名家大辞典』(平成24)森岡浩、東京堂出版

参考サイト

https://www.library.city.hiroshima.jp/news/docs/2019asanoshi400_pamph.pdf

http://keizudou.web.fc2.com/karou/hiroshima.html

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki_file/monjokan/zuroku/h26zuroku_miyoshi.pdf

https://www.ueda-soukoryu.com/%E6%AD%B4%E4%BB%A3%E5%AE%B6%E5%85%83/

著者あとがき

 浅野家の系図の特徴としては、男系継承にあると思っています。特に、長晟から慶熾まで200年以上にわたって嫡子相続しているのは稀であると思います。また、浅野家の系図は必ずしも寛政譜が正しいというわけではなく、浅野家から家臣に養子入りした者は省かれています。例えば、綱長の子で家老の東城浅野家に養子入りした高方、同じく綱長の子で家老上田家に養子入りした上田義行、上田義敷兄弟や広島新田藩主の長賢の子で三好長慶の家系に養子に入った三好房高などです。同様の事例は岡山藩主池田家でもみられ、他の大名や旗本に養子入りした者は寛政譜に記載しても、早世したり家臣の養子になった者は記載していなかったりしています(池田綱政があまりにも子沢山なのも関係しているかもしれません)。逆に、代々子沢山の伊達家や島津家は家臣に養子入りした者も寛政譜に記載しているのが興味深いです。おそらくは子女を全員記載しない方がイレギュラーなのでしょうが、各家ごとの寛政譜へのスタンスのようなものが見えて面白いです。

 

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